1. 無料アクセス解析

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

原発稼働ゼロ


民主党が2030年代に原発稼働ゼロを目指すという提言を発表しました。しかし、これは選挙目当ての国民の人気取りだと私は考えます。これが実現すると、日本は大変なことになる可能性があります。ある音楽家が「たかが電気のために、命を懸ける必要はない」といった趣旨の発言をしましたが、この音楽家の音楽は電気なしには成立しないものでした。電気がなければ、病院は機能しません、高層マンションは廃墟になります、信号は点灯せず大渋滞を引き起こします、工場はストップします、スーパーも開店休業状態になります。電気と水は命を維持するための最も重要なインフラです。「たかが電気」ではないのです。選挙に勝つための「原発稼働ゼロ」という考え方は改めるべきだと考えます。

今、「精神論抜きの電力入門(澤 昭裕著 新潮社)」を読んでいます(まだ読み終わっていません)。この本によれば、2010年度の日本の燃料別発電量は以下の通りです:
原子力 30.8%
石炭 23.8%
水力 7.8%
LNG 27.2%
石油等 8.3%
揚水 0.9%
新エネ 1.2%
原子力3割、LNG3割、石炭+石油3割、水力他1割と分散されており、このおかげで原発が稼働しなくてもなんとか乗り切れたわけで、特定のエネルギーに集中するのは危険です。
現状は、原子力は大飯原発を除けばゼロです。それでも、この夏の猛暑をしのげたのだから原発ゼロでも大丈夫と思う人は多いと思います。しかし、その分LNG(液化天然ガス)を中心とする化石燃料の比率が大幅に上昇しています。化石燃料が増えるということは、CO2排出量が大幅に増加し(地球全体の問題となります)、3兆円から4兆円の輸入増加となり貿易赤字の要因となっています(ちなみに鳩山元首相が公約した1990年対比で25%のCO2削減を実現しようとすると、電気の使用量を今の半分にする必要があります)。4兆円の輸入ということは1%近くGDP成長率を引き下げることになります。

民主党は太陽光発電、風力発電、地熱発電などの再生可能エネルギーを30%以上に増やすといいますが、巨大なスペース、巨額の投資、30年以上にわたる期間が必要です。それに供給が不安定な再生可能エネルギーに30%以上依存するのは不安だらけです。再生可能エネルギーが増えると電気料金はどんどん上がります。電気料金は、年収が低い人ほど負担が重くなる消費税と同じ性格を持ちます。今、原発廃止を唱える人は電気料金が倍になることを容認するのでしょうか?電気代が倍になれば潰れるもしくは廃業する中小企業は続出します。デモに参加している主婦のご主人が仕事を失うかもしれないことを覚悟しているのでしょうか?橋本大阪市長が大飯原発稼働を認めたのも、大阪の中小企業が悲鳴を上げたからです。大手企業も電気料金が倍になれば、国内の工場を閉めて東南アジアに移管します。失業者が大量に出ます。それを承知して覚悟の上でデモに参加しているのでしょうか?

原発の事故を防ぐ手立てを考えるということは技術革新をもたらします。この努力を一切行わずに、原発ゼロという方針を固めるのはいかがなものかと思います。

原発は40年以上経過したものを止めていけば、2030年代には稼働させていても15%に自然と下がるそうです。しかし、国内で売り上げが全く立たない原発メーカーは、技術者を減らし、技術革新も止まります。そうなると廃炉作業自体もできなくなります。

選挙に勝つための安易な「原発稼働ゼロ」という考え方には大いなる懸念を持ちます。もっと時間をかけて慎重に決めるべき事項だと思います。
スポンサーサイト

| 経済・社会 | 07時28分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















非公開コメント

http://kowa1889.blog72.fc2.com/tb.php/894-6e4b40c4

PREV | PAGE-SELECT | NEXT