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円高進行

ドル円レートが先週金曜日にニューヨーク市場で76円台をつけました。最近の円高の背景を解説します。

ドルは基軸通貨と呼ばれ(原油、金、とうもろこしなどの価格は全てドル表示です)、為替取引の中心となっています。ユーロ円が112円とか言われますが、実際はユーロ円レートと言うのは存在しません。ドル円レートが80円と仮定します。1ユーロが1.4ドルと仮定します。ドルを介してユーロ円レートが決まります。すなわち、80円x1.4ドル=1ユーロ=112円となります。すなわち、ドルが為替レートを算出する際に介在する通貨です。従って、ドルの信用がなくなると為替市場は混乱します。オーストラリアドル円レートも米ドルを介して計算します。私が運用会社にいた時には、円をはさまないユーロ買いドル売りといった取引を普通に見ていました。

米国政府は国の借金の借用書として発行する国債の発行額の上限を設けています。現在この上限に近付いており、この上限を法律で増やさないと新たに国債を発行して資金を調達できない事になります。資金調達ができないと、国債の利払い(年2回利息を支払います)ができなくなり、元本の返済ができなくなります。となると米国債の信用が低下すると同時に、米ドルに対する信用は下落しドルは売られることになります(株式も売られています)。議会が上限を引き上げる法律を通せるかどうかが焦点になります。この現状を受けて、ドルが売られています。ドルを売る場合、他の通貨を買う必要があります。一般的に商品を「買う」場合、お金を渡します(「売る」ことになります)。ドルを売る場合に、ユーロを買うか円を買うかスイスフランを買うかオーストラリアドルを買うか等をしなければなりません。大量の資金を売り買いできるのは、ドル、ユーロ、円くらいです。従ってユーロを買うか円を買うかのどちらかになります。ユーロは財政問題が懸念される一方、日本は政治の混迷、財政問題、景気低迷などの問題があります。ユーロと円を相対比較して、日本が貿易黒字を確保していることからまだ日本円の方がましというのが市場の判断で、円が買われています。さらに中国の通貨「人民元」がドルに対して値上がりしないように中国政府がドル買い人民元売りを行って人民元のレートを安く維持しています。その結果、中国政府は大量のドルを保有しており、値下がり懸念のあるドルを売って円を買っています。これも円高の要因となっています。

米議会が国債の発行額の上限を引き上げる法案を通す目処がつきそうで、円高に歯止めをかける効果が期待できますが、米国の景気が弱い見通しでドルの反発は限定的になると思われます。日銀がドル売り円買いの市場介入をしても効果は期待できません。何故なら、3月の76円台で行った日米欧の協調介入は効果がありましたが、今回は日本の単独介入となるからです。

通貨が買われる場合の条件は次のような場合です。1)経済成長率が高い、2)インフレ率が低い、3)名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利が高い、4)海外からの資金流入が多い、5)貿易黒字・経常黒字を稼いでいる、等です。日本は2、3、5が該当します。

円高で日本が大変なことになるような報道を多く見ます。日本は資源がなく、原油、小麦、とうもろこし、鉄鉱石、パルプ、レアメタルなどあらゆる原材料を輸入しています。従って、円高は原材料を安く購入できるので悪い事ではありません。輸出には不利ですが、日本の製造業は海外の現地生産を進めており、昔ほどの円高のマイナスは大きくありません。円高を恐れる必要はありません。それにみんなが50円になるのではと不安になる時には、反転する時期が近いと思えばいいのです。

思いつくままに書いたのでまとまりが悪いですが、多少なりとも円高の背景を理解してもらえればと思います。ただし、これだけは覚えていてください。自国通貨が強くなって滅びた国はありません。


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| 経済・社会 | 07時34分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















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