1. 無料アクセス解析

PREV | PAGE-SELECT | NEXT

≫ EDIT

小さな信用を積み上げる


私が米国株式のファンドマネージャーをしていた時代。米国株式の売買注文を出すのは米系の証券会社(投資銀行と呼ばれます)でした。その中で一番好きだった会社が、ゴールドマン・サックスという投資銀行でした。同社の社是の一番目は「顧客の利益を最優先にする」と言われています。顧客のためにならないなら、案件を取り下げることもあったそうです。案件(会社の増資の引き受け等)を取り下げるという事は、手数料を稼げなくなるわけですから大変なことです。しかし、こういう姿勢があるから米系の投資銀行の中ではトップを維持し続けているわけです(リーマン・ブラザースに代表される多くの投資銀行は、2008年に消えています)。

私が外資系投資顧問会社に勤務した1990年代前半のことです。日本ではまだ不動産投資信託(REIT)が全く知られていなかった時代に、ある中堅生保に米国の不動産投資信託に投資する私募ファンドをケイマン(カリブ海にあるタックスヘブンの島)で作るから出資しないかと提案しました。その生保の担当者は、非常に乗り気になりXX億円の投資を決める寸前まで行きました。しかし、ケイマンの税制を良く調べたらREITから得られるリターンを減らす可能性があったので、私は提案を取り下げました。事実を隠してファンドを作ってしまう手もあったのですが、嘘をつくのが嫌いな性分なので、正直に話して提案を取り下げました。相手は私を信用してくれて、国内の口座の資金運用の契約を締結し同額の資金を任せてくれ、運用報告をキチンとしていたため、翌年には投資額を3倍に増やしてくれました。

洋服屋でも、顧客に似合わないのにもかかわらず、似合うと言って売りつけようとする店員もいますが、正直に(ソフトに)話して別のアイテムを進める店員もいます。

相手の事に配慮した発言は相手の心に届きます。日々の仕事をする時には、嘘をつかず、相手に気配りした言動をして欲しいと思います。それが信用につながります。「信用残高」を積み上げるには時間がかかりますが、失うのはアッという間です。社員全員で気を付けたいものです。

おまけ
ある金融機関のテレビコマーシャル。洋服選び、ワイン選び、株式投資もプロに任せて安心。夫婦で金融機関の窓口を訪れ「いい銘柄はありますか?」と尋ねます。飛んで火に入る夏の虫です。金融機関の窓口担当者は販売のプロですが、運用のプロではありません。自分で銘柄選定を行わない個人投資家は損をすると「この銘柄を勧めたあの営業マンが悪い」と言い始めます。コマーシャルを見ながら、思わず「ひとり突っ込み」をしてしまいます(笑)。

スポンサーサイト

| お仕事 | 07時26分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑















非公開コメント

http://kowa1889.blog72.fc2.com/tb.php/1548-dc0c8dc4

PREV | PAGE-SELECT | NEXT