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白元の失敗


日経ネットで先月掲載された記事を引用します。ちょっと長く、経営に関連するので興味がない人はスキップしてください。

ミセスロイド、アイスノン等の家庭用品で知られる白元(東京・台東)は5月末に東京地裁に民事再生法を申請した。負債総額は250億円。製造業ではかなりの大型倒産。

初代社長は創業以来「本業一筋」を理念に掲げ、「身の丈に合った経営」を貫くことで業界トップに上りつめてきた。今も販売している防虫剤「パラゾール」は50年、冷蔵庫の普及で考えられた消臭剤の「ノンスメル」は63年、72年には靴下止めの「ソックタッチ」など、国民生活における身の回りの小さな快適さを求める商品を世の中に送り出した。周囲からは「ロングセラーの宝庫」と呼ばれる商品をそろえていたことが、老舗ならではの強みとなっていったのだ。「安定と着実の白元」は、こういった創業者の理念が引き継がれてきたからこその評価であった。ところが3代目の社長が就任したころから、「身の丈」から外れた経営が目に付くようになる。2000年ごろから始まった子会社の設立と、M&A(合併・買収)戦略により、銀行からの借金は膨らみ続ける。結局は事業拡大路線が思ったほどの効果が出ないことから、僅か数年の間に吸収合併や、統廃合を強いられる。結果的に、三代目社長就任以来、借入金は3倍以上の80億円弱にまで膨れ上がった。06年に4代目社長が就任する。新社長は売上至上主義を掲げ、業界の慣習である「政策販売」のワナに掛かってしまう。これは、問屋に対して返品を前提とした過剰販売を行うことをいう。例えば、問屋Aに対して2億円の商品を販売。A社は20~50日後には仕入れ代金2億円を支払うが、一定期間後に1億円分の商品を白元に返品する。すると白元は差額の1億円プラス利息を「特売費」という名目で支払うシステムだ。複雑に見えるが実態は「押し込み販売」。こうすると見かけの売り上げは大きくなるが、余計な「特売費」がコストとなって白元の収益を圧迫する。しかも、返品された商品がすぐに別の取引先に売れるとは限らず、時機を逸すると不良在庫になってしまう可能性が高い。破綻の直前には売上高約300億円のうち、3割を超える95億円がこの「政策販売」だったという。もちろん、このような無理な販売を繰り返せば、赤字の拡大につながるといった指摘は、白元の監査法人からあった。しかし、4代目社長が聞く耳を持たなかったことから、さらに傷を広める結果となった。

帝国データバンクが保有する企業データベースによれば、老舗といわれる「業歴100年企業」には3つの特徴があることが分かっている。一つ目が事業承継(社長交代)の重要性。2つ目が取引先との友好な関係。3つ目が「番頭の存在」だ。白元はこの3つが十分に備わっていなかった。

社長一代の平均就任期間は約25年、100年では4回の事業承継が必要になる。初代社長の経営理念はほとんどの場合、3代先へは直接は伝えられない。そこで「社訓」「社是」といったものが約8割の老舗に存在するが、残念ながら白元の「本業一筋」「身の丈経営」は承継されなかった。取引先との良好な関係とは、厳しさの中でも信頼しあえる関係を言うが、社内では4代目社長に対して「取引先のカモにされているあまちゃん経営者」との声があった。さらに、同族企業にはガバナンス(企業統治)が働きにくい側面があるため、上司・部下、主従といった関係とは一線を引いた、寄り添う関係の番頭が必要になる。その果たす大きな役割はただ一つ「耳の痛い話ができる」こと。白元の場合、そうした人材の登場が少し遅かった。

白元の失敗から学ぶ教訓:
1.売上は会社維持のために必要だが、売上至上主義は押込み販売、超安値販売などをもたらし、会社の体力を徐々に失わせていく。むやみな拡大主義は、財務の健全性を失わせる。粗利益重視、バランスのとれた健全経営、良好な財務体質を目指す。売上至上主義者は利益にこだわり損益計算書を重視する一方、貸借対照表を軽んじた経営をします。本来あるべき姿は、貸借対照表をより良くして会社を継続するために損益計算書(利益)が重要となる考え方。堅実経営を心掛ける。
2.外部のアドバイザーの苦言をキチンと受け止め、厳しいことを言える信頼できる右腕を持ち、ワンマン経営をしない

会社が破たんした時に、その要因を学ぶことは大事です。何故なら、成功した会社の話を聴いても自社に適用できるかどうか分らないが、失敗した会社の話は何処の会社でも当てはまり、有益だからです。

8月13日~15日はお盆休みです。次回は8月18日です。
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