平成時代の終わり
来週には、平成の時代が終わり、令和の時代が始まりますが、ここで平成時代の経済を振り返りたいと思います。今年の新入社員は18歳や22歳、バブルを全く経験しなかった世代。金融危機を知らない世代です。
平成は「バブル」で始まりました。平成元年(1989年)12月末の大納会で日経平均株価が38,915円の史上最高値を付けました。翌年には日経平均は4万5千円まで上昇すると野村證券は言っていましたが、年が明けると一気に日経平均は下落、その年の前半には2万円台まで落ちました。バブル崩壊の始まりでした。バブル崩壊は土地や金融市場を直撃し、平成9年(1997年)には、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券が破綻、翌年には日本長期信用銀行や日本債券信用銀行などが相次いで破綻するという未曽有の金融危機を迎えたわけです。その後、米国では住宅バブル、欧州では通貨ユーロ登場によるバブルが発生、中国経済が10%程度の成長を続け、瀕死の日本経済もその恩恵を受け、平成14年から19年まで、成長率は低かったものの、戦後最長(当時)の成長をしました。
しかし、平成20年(2008年)にはリーマンショック、その後は世界同時不況やユーロ危機と、世界経済は大きな危機を迎えました。日本経済も大きく後退し、また、その後の民主党政権の出現と大失敗、さらには、平成23年(2011年)3月11日の東日本大震災により、日経平均も7千円台まで落ち込み、ドル円レートは75円台の円高を記録しました。平成24年(2012年)12月に自民党政権が復活し、25年4月からはアベノミクスに呼応する形で「異次元緩和」とまで言われた日銀黒田総裁の金融政策が始まり、今も継続しています。当初2年間で、インフレ率を2%にまで向上させるということでしたが、なかなか実現せず、緩和を拡大しながら、マイナス金利政策まで導入していますが、結局開始から6年経っても、インフレ目標は達成できませんでした。アベノミクスは一定の景気拡大をもたらしましたが、こちらは、金融緩和という「カンフル剤」の影響もあるものの、主には、米国や中国経済の拡大に支えられた部分が大きいと言えます。
そして今後注目すべきことは、平成25年(2013年)の異次元緩和開始時には135兆円だったマネタリーベース(日銀券+日銀当座預金)が、4倍近い500兆円にも達していることです。それだけ大量に資金を供給しているのですが、その裏では政府が発行する国債の半分程度にも上る450兆円以上の国債を日銀が保有しており、さらには、株式も大量に日銀が保有しています(今や日本最大の株主です。海外の中央銀行は財務の健全性維持の観点で株式を保有しません)。非常に大きなリスクを日銀が取っています。さらには、それを良いことに、政府が国債残高を増加させています。消費税率を上げても国債を減らす財政健全化にはつながらず、国の財政は非常に危うい状態が続いています。国の借金が1千兆円を超え、社会保障費は膨張を続け、借金が減ることはありません。
日本は今後一層少子高齢化が進み、労働人口が減少し、日本がどれだけ付加価値を生み出したかを測るGDP(国内総生産)は伸びなくなり、税収も伸びなくなります(消費税率をさらに引き上げなければなりません)。子供、孫、ひ孫の将来の事を考えると、令和という新時代を迎えてはしゃぐ気持ちにはなりにくいのが実情です。
GW期間中はお休みします。令和元年最初のブログは5月7日になります。
おまけ
金融機関や製造業は長期間の休みの会社が多いですが、公共交通機関、物流業者、飲食/宿泊/娯楽/メディア等のサービス業、小売業、警察/消防/救急救命、等は関係なく業務が続きます。大勢の人が休む時に働く人々がいるから、世の中成り立っています。こういった方々に感謝します。
平成は「バブル」で始まりました。平成元年(1989年)12月末の大納会で日経平均株価が38,915円の史上最高値を付けました。翌年には日経平均は4万5千円まで上昇すると野村證券は言っていましたが、年が明けると一気に日経平均は下落、その年の前半には2万円台まで落ちました。バブル崩壊の始まりでした。バブル崩壊は土地や金融市場を直撃し、平成9年(1997年)には、三洋証券、北海道拓殖銀行、山一証券が破綻、翌年には日本長期信用銀行や日本債券信用銀行などが相次いで破綻するという未曽有の金融危機を迎えたわけです。その後、米国では住宅バブル、欧州では通貨ユーロ登場によるバブルが発生、中国経済が10%程度の成長を続け、瀕死の日本経済もその恩恵を受け、平成14年から19年まで、成長率は低かったものの、戦後最長(当時)の成長をしました。
しかし、平成20年(2008年)にはリーマンショック、その後は世界同時不況やユーロ危機と、世界経済は大きな危機を迎えました。日本経済も大きく後退し、また、その後の民主党政権の出現と大失敗、さらには、平成23年(2011年)3月11日の東日本大震災により、日経平均も7千円台まで落ち込み、ドル円レートは75円台の円高を記録しました。平成24年(2012年)12月に自民党政権が復活し、25年4月からはアベノミクスに呼応する形で「異次元緩和」とまで言われた日銀黒田総裁の金融政策が始まり、今も継続しています。当初2年間で、インフレ率を2%にまで向上させるということでしたが、なかなか実現せず、緩和を拡大しながら、マイナス金利政策まで導入していますが、結局開始から6年経っても、インフレ目標は達成できませんでした。アベノミクスは一定の景気拡大をもたらしましたが、こちらは、金融緩和という「カンフル剤」の影響もあるものの、主には、米国や中国経済の拡大に支えられた部分が大きいと言えます。
そして今後注目すべきことは、平成25年(2013年)の異次元緩和開始時には135兆円だったマネタリーベース(日銀券+日銀当座預金)が、4倍近い500兆円にも達していることです。それだけ大量に資金を供給しているのですが、その裏では政府が発行する国債の半分程度にも上る450兆円以上の国債を日銀が保有しており、さらには、株式も大量に日銀が保有しています(今や日本最大の株主です。海外の中央銀行は財務の健全性維持の観点で株式を保有しません)。非常に大きなリスクを日銀が取っています。さらには、それを良いことに、政府が国債残高を増加させています。消費税率を上げても国債を減らす財政健全化にはつながらず、国の財政は非常に危うい状態が続いています。国の借金が1千兆円を超え、社会保障費は膨張を続け、借金が減ることはありません。
日本は今後一層少子高齢化が進み、労働人口が減少し、日本がどれだけ付加価値を生み出したかを測るGDP(国内総生産)は伸びなくなり、税収も伸びなくなります(消費税率をさらに引き上げなければなりません)。子供、孫、ひ孫の将来の事を考えると、令和という新時代を迎えてはしゃぐ気持ちにはなりにくいのが実情です。
GW期間中はお休みします。令和元年最初のブログは5月7日になります。
おまけ
金融機関や製造業は長期間の休みの会社が多いですが、公共交通機関、物流業者、飲食/宿泊/娯楽/メディア等のサービス業、小売業、警察/消防/救急救命、等は関係なく業務が続きます。大勢の人が休む時に働く人々がいるから、世の中成り立っています。こういった方々に感謝します。
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| 経済・社会 | 07時28分 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑