資産運用と会社経営
私は株式投資信託のファンドマネージャー(以下FM)をしていた時期があります。FMは個人投資家から集めた資金を個人投資家に成り代わって投資信託の中で株式投資をします。私が当時運用していた株式投資信託は300億円くらいの規模でした。この300億円を投資していくら儲けることができるか、すなわち利回り(儲けを元本で割ったパーセントです)をどれだけ良くすることが出来るか、が仕事になります。株式市場に投資するので、市場が下落しマイナスの利回りになることももちろんあります。従って、FMとして私が心がけたことは一発大儲けを狙う(外れれば大損となります)のではなく、下落相場時に出来るだけマイナスを小さくし、上昇相場時に市場の上昇率に負けてもいいからある程度利回りを残すということに注意しました。長期で見るとアップダウンの激しいスタイルに比べ、安定した運用になります。これを実現するために、過大なリスクを取らないことに注意しました。株式投資ですからリスクを取っているわけですが、ひとつの銘柄に集中投資しない、出来るだけ性格の異なる業種・銘柄に分散投資する(円高にメリットを享受する企業、円安でメリットを享受する企業、景気が良い時に業績が大きく改善する企業、景気が悪くなっても業績に余り影響が出ない企業、など)に留意しました。
会社経営も同じです。土地・建物・機械・人材といった資産を活用して、どれだけリターンを挙げられるか。利回り(儲け/総資産)の株式投資の利回りの考え方と同じです。過大なリスクを取ることは避けます。景気動向に関係なく安定的な利益を残すことを目指します。
仕事の内容は全く異なりますが、求める成果は基本的に同じです。ただし、大きな違いや共通点がいくつかあります:
1. FMは自分ひとりで全てを決めて行動できます。会社経営は自分ひとりでは成果を出すことが出来ません。社員に自分に代わって仕事をしてもらわねばなりません。会社経営ではコミュニケーションが大事になります。
2. FMは買った銘柄がダメだと思ったら、すぐ売却して投資対象から外すことが出来ます。会社経営は、人を採用したら、事業を一旦始めたら、すぐに解雇する、すぐに事業を止めるということは出来ません。より慎重になります。
3. FMはこの銘柄が値上がりすると思うから買います。経営者もこの事業が成功すると思うから始めます。株を買う、事業を始めるというのは簡単に出来ます。逆に難しいのは、株を売るタイミング、事業を止めるタイミングです。どちらも難しいです。もうちょっと我慢すれば株価は上がるかもしれない、もう少しこの事業を頑張れば黒字になるかもしれない。大変難しい決断です。
4. FMも経営者も世の中の変化に敏感でなければなりません。新しい技術、新しいヒット商品、新しい時代の流れ、などを理解していないと時代に取り残され、利回りは下がってしまいます。
5. FMは一般的に投資の期間として半年から1年先を見ています。経営者は投資をする場合は3年から5年程度の期間を考えます。でも、1年間の運用成績(業績)を非常に気にするのは同じです。
6. FMは株式市場が大暴落したら給料は多少下がるかもしれませんが、経営者は業績が下がれば自ら報酬を下げてしまいます。逆も真なりかもしれませんが・・・。
7. 投資信託の金額が大きくなると運用が難しくなります。会社の規模が大きくなるとやはり運営が難しくなります。投資信託の規模が小さすぎても運用しにくいし、企業の規模が小さすぎて信用がないのも運営が大変です。
会社の余裕資金を株式投資などで運用する社長がいます。会社を経営することが株式投資の類似行為となるので、本業に集中したほうが得策です。私がFMなら財テクを行なっている会社は、儲けている/損しているに関わらず、投資対象から外します。本業以外で利益を出しても全く評価の対象になりません。なので、私は財テクは一切やりません。
おまけ
1.昨晩の足立花火大会は開催時には雨もやみ、きれいに見ることが出来ました。
2.民主党両院総会で参院選挙敗北の責任論が出ていましたが、民主党にとって大事なのはこれからどうするのかだと思いますが、そういう議論は一切なし。ダメな政党です。

埼玉のダンボールメーカー コーワ株式会社
会社経営も同じです。土地・建物・機械・人材といった資産を活用して、どれだけリターンを挙げられるか。利回り(儲け/総資産)の株式投資の利回りの考え方と同じです。過大なリスクを取ることは避けます。景気動向に関係なく安定的な利益を残すことを目指します。
仕事の内容は全く異なりますが、求める成果は基本的に同じです。ただし、大きな違いや共通点がいくつかあります:
1. FMは自分ひとりで全てを決めて行動できます。会社経営は自分ひとりでは成果を出すことが出来ません。社員に自分に代わって仕事をしてもらわねばなりません。会社経営ではコミュニケーションが大事になります。
2. FMは買った銘柄がダメだと思ったら、すぐ売却して投資対象から外すことが出来ます。会社経営は、人を採用したら、事業を一旦始めたら、すぐに解雇する、すぐに事業を止めるということは出来ません。より慎重になります。
3. FMはこの銘柄が値上がりすると思うから買います。経営者もこの事業が成功すると思うから始めます。株を買う、事業を始めるというのは簡単に出来ます。逆に難しいのは、株を売るタイミング、事業を止めるタイミングです。どちらも難しいです。もうちょっと我慢すれば株価は上がるかもしれない、もう少しこの事業を頑張れば黒字になるかもしれない。大変難しい決断です。
4. FMも経営者も世の中の変化に敏感でなければなりません。新しい技術、新しいヒット商品、新しい時代の流れ、などを理解していないと時代に取り残され、利回りは下がってしまいます。
5. FMは一般的に投資の期間として半年から1年先を見ています。経営者は投資をする場合は3年から5年程度の期間を考えます。でも、1年間の運用成績(業績)を非常に気にするのは同じです。
6. FMは株式市場が大暴落したら給料は多少下がるかもしれませんが、経営者は業績が下がれば自ら報酬を下げてしまいます。逆も真なりかもしれませんが・・・。
7. 投資信託の金額が大きくなると運用が難しくなります。会社の規模が大きくなるとやはり運営が難しくなります。投資信託の規模が小さすぎても運用しにくいし、企業の規模が小さすぎて信用がないのも運営が大変です。
会社の余裕資金を株式投資などで運用する社長がいます。会社を経営することが株式投資の類似行為となるので、本業に集中したほうが得策です。私がFMなら財テクを行なっている会社は、儲けている/損しているに関わらず、投資対象から外します。本業以外で利益を出しても全く評価の対象になりません。なので、私は財テクは一切やりません。
おまけ
1.昨晩の足立花火大会は開催時には雨もやみ、きれいに見ることが出来ました。
2.民主党両院総会で参院選挙敗北の責任論が出ていましたが、民主党にとって大事なのはこれからどうするのかだと思いますが、そういう議論は一切なし。ダメな政党です。

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